なぜ、社員は動いてくれない?

私が、あるコンサルタント会社数社の下請けをしていた頃のことです。
それらの会社で、いつか聞いてみようと思っていて、結局聞けないまま
今日に至っている、ある表現があります。

それは、「目標数字」や「売上げノルマ」のことを ⇒ 「予算」と呼ぶ会社が結構多い。

間違えではないので全く問題ないのですが、この「予算」の伝え方や取り扱い方で
会社によって大きく違うことがわかりました。

個人的には、「予算」という表現は、あまり好きではないのですが、
百歩譲って、予算という表現をすると
A社では・・・・・
会社が一方的に来期の経営計画を立てて、勝手に数字を割り当てるだけなので

こんな予算、会社が勝手に考えた予算なので、達成できるかどうかわからないけど
まぁ~がんばりましょう!

という感じで、仕事にもテンションが上がりません。
チームリーダーは、「とにかく、1日、50件訪問しなさい」など
根拠のないノルマを部下に命じている光景もよく見ます。
一方、B社では、なぜ、この予算なのか?、この予算を達成して3年後には、
どうなっていたいのか?、等々、目的を共有した上で、予算を設定している。

社員で、会社の考え方や目的~目標が共有できているので
自ら、その手段を考え実行し、テンションも上がり、やりがいも感じます。

B社のチームリーダーは、部下と目的の共有が出来ていますので、
「戦術」として、日々の行動を部下と共有しているように見えます。
いかがですか?
外部の私から見た、客観的な、よそ者の見方ですが、
B社の方が、仕事に活気があります。

それでは、どうすればいいのでしょう?


「目的」と「手段」は、よく混同されます。
また、「目的」と「目標」も、よく混同されます。
定期的に実施されるイベントに例えて考えてみましょう。

イベントには、様々なものがあり、どんなイベントにも、必ず目的があります。
販促イベントには、新商品のご案内や新規顧客獲得
啓発イベントには、社員のスキルアップやモチベーションアップ
会議もイベントとして考えると、そこにも「何かを決める」「合意形成」「調整」など

イベントには、必ず目的があります。
何か、目的があって始めたイベントのはずですが、
いつの間にか、イベントを”そつなく”こなすことが目的となって
本来の目的は忘れてしまい、イベントが無事に終われば、目的が達成されて
ホッとして、業務終了!

これでは、マンネリ化して、イベント参加者も徐々に減ってきますし
イヤイヤ参加!ということになります。

○○を達成する「手段」として、このイベントを実施します。
など、何のためにこのイベントを実施するのか?
ここを、共有できているのと、できていないのでは、
社員のモチベーションも大きく変わってきます。

そして、その手段として、このイベントを実施します。

こんな感じで、「目的なのか?」「手段なのか?」分けて考えると
共有しやすくなります。

 

 

まとめ


目的は・・・・・何のために?など、最終的に目指していること
目標は・・・・・目的を達成するために欲しい成果
手段は・・・・・目標や目的を達成するための手法・戦術

特に「目的」と「手段」は、混同しがちです。
●今、行っている、この作業は、「目的」なのか?、「手段」なのか?
●今、話し合っている、このテーマは、「目的」なのか?、「手段」なのか?
●今、企画している、このイベントは、そもそも、どんな「目的」なのか?、どんな成果が欲しいのか?

などなど、一度、基本に立ち返って、考えてみましょう。
そして、メンバーで、しっかり共有しましょう。

共有して、合意形成できていれば、状況は変わってきます。