これまでのやり方では成果がでない

企業には、様々な経営課題や経営目標があります。

その最も優先順位の高いものの中の一つに「業績向上」という
企業の成長には欠かせない課題があります。

この課題を解決するために、営業目標生産目標改善目標、顧客満足度向上、などなど
様々な目標を掲げます。

例えば、営業目標について考えてみましょう。

私が、よく見かける営業目標は、いわゆる「ノルマ」売上数字で
営業マンにプレッシャーをかけるという光景をよく見かけます。

営業マンは、日々、数字に追いかけられています。
これは、ある意味、宿命のような面があるので、仕方ないとしても

問題は、そのノルマ数字の決め方と、その数字が持つ意味

これを、課長クラスはじめ、営業マンが理解しているか?
この数字が会社の経営戦略に、どのように影響を与え
経営目標を達成するために、経営課題を解決するために
その数字が、どれだけ必要で、経営戦略上どれだけ重要か?

ということを、理解しているだけでも
モチベーションの持ち方が、ずいぶん変わってきます。

御社の営業ノルマの決め方は、こんな感じではありませんか?

【営業マンA君の場合】

課長談

A君は、今期は、おしかったね!
もう少しでノルマ達成だったんだけどね。
来期は、どうする?
もう少しで達成しそうだったから
来期は、ちょっと頑張って20%ONして、36,000,000円でどうだね?

 

【営業マンB君の場合】

課長談

いやあ~、B君お疲れ様、今期は絶好調だね~!
ノルマ達成率150%だよ!
来期はどうする?
この調子だと、このまま行けそうだから
来期は、一気に飛躍を目指して
どうだね、50,000,000円に挑戦してみないか?
君なら行けるよ!

御社は、いかがですか?

私の見るところ、このような決め方の企業が多いように思います。

これでは、社員のモチベーションも上がらず
成果も出にくくなってきます。

何故ならなば、
この方法では、会社の経営目標を一人の個人に背負わせて
個人の能力依存になっているからです。

そして、数字の上がらない部下に、課長はヤキモキするのです。

その数字の意味と、社員の頑張りが
会社の経営戦略に、どのように貢献しているのかが
分かって数字を追いかけているのと、
数字の意味・根拠を理解せずに追いかけているのでは、
モチベーションの持ち方が全く違います。

では、どうすればいいのでしょう?

私は、チームで、その目標を追いかけることをお勧めしています。

KGI・KPI・CSFとい言葉を聞いたことはありますか?

KGI(重要目標達成指標)
これは、企業や組織の最終目標を示す指標で、「何をもって、達成・成功といえるか?」
という、いわゆる最終ゴールの基準となる、指標や考え方です。

KPI(重要業績評価指標)
これは、最終目標を達成するための、鍵となる指標のことで、最終目標を達成するための
中間目標をそのように設定すればいいかの基準となる指標や考え方です。

CSF(主要成功要因)
これは、KGI(重要目標達成指標)を達成するために最も影響がある要因で
事業の中核となる部分ですので、数字を追いかける営業マンも含めて
全ての社員が理解しておく必要があります。

要約すると

KGI・・・・会社が目指すべきビジョン・経営目標
KPI・・・・KGIを達成するために鍵となる基準を定める指標
CSF・・・・KGIを達成するために最も重要な鍵となる要因・活動

まず、この3つを管理者はじめ、社員が理解したうえで、
チームで数字を追いかける仕組みをつくれば、
社員のモチベーションの上がり、業績は上がります。

例えば、「来期の売上目標は、今期の30%アップを目指そう」とした場合

KGI・・・来期の売上目標は、今期の30%アップ
KPI・・・新規顧客獲得数、問い合わせ件数〇〇%アップ、など
CSF・・・休眠顧客の開拓、新規開拓対象見込み客調査、など

これらを、数値で管理して達成度を確認します。

もっと、わかりやすく言うと

KGI・・・会社としての経営目標・ビジョンの中で何をもって達成とするかの基準
KPI・・・それを実現するために注力すべき事の数値化
CSF・・・それらを実現するために最も重要な活動

 

 

「会社としての経営目標」は、会社の経営戦略・ビジョン・今後の展開の中で
この業務、この数字が必要であるという設定を行います。

中小企業において、経営目標、ビジョンが曖昧だと、社員はどう動いていいかわかりません。

 

「チームとしてのミッション」は、会社の経営戦略・ビジョン・今後の展開の中で
自分たちのチームが、何をすべきか?
その成果が、会社のビジョンに、どのように貢献しているのか?を理解した上で
チームの目標を設定する

 

「目標を達成するための活動」は、目標を達成するために、
最も効果的な要因は何なのか?
どんな活動をすればいいのか?

を設定します。

 

KGI・KPI・CSFは、
言わば、経営指針を共有し、仕事の目的を明確にし、

ブラックボックス化している業務を明らかにして

自分が、何をすればいいのかを明確にする仕組みでもあります。

この3つを、経営者を含めて、管理職や社員が常に意識して仕事しているかどうか
経営状態や仕事の進め方が大きく変わってきます。

多くの企業は、営業ノルマを各担当者と部長や課長などの上司と相談して
根拠のない数字を押し付けているようです。

ただ単に、営業ノルマを押し付けるだけではなく、
その数字の意味と目的を明確にし、自分の仕事が、会社の経営戦略に対して
どのように貢献しているのかを明らかにした上で、個人の能力依存にするのではなく
チームとしての目標設定をすると、社員のモチベーションも上がり、成果が期待できます。